特定技能1号の外国人は日本で結婚できるか、家族と住めるか 行政書士葛飾江戸川総合法務事務所

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特定技能1号の外国人は日本で結婚できるか、家族と住めるか 行政書士葛飾江戸川総合法務事務所

2023/12/14

2023年12月20日最終更新

お世話になっております。
行政書士葛飾江戸川総合法務事務所の糠信 一善(ぬかのぶ かずよし)です。
本日は、
特定技能1号の外国人は日本で結婚できるか、家族と日本で住めるか
ということについて紹介していきます。

そうですね。
日本で特定技能1号として働いて、5年間の内に恋愛があって、結婚を考えるのは普通のことですからね。
結婚後に家族で日本に住めるのか、1つずつ紹介していきましょう。

はい…。
結婚できるかできないか、家族と住めるのか、は人生においてとても大きな問題です。
是非よろしくお願いします。

結婚はできるが、家族の日本滞在は原則認められていない

まず、先に結論を申し上げておきます。
が…、厳しい言葉になってしまうかと思います。
特定技能1号の在留資格(ビザ)を持っている外国人は結婚はできます。
しかし、『特別な事情』がない限りその家族の日本滞在は認められません。

え…。
結婚はできても家族の日本滞在は基本的に認められていないんですね…。
そんな…。

では、その『特別な事情』とはどういうものなのでしょうか…?
きっと曖昧な、抽象的な表現だと思いますが…。

特定技能1号の外国人が日本で家族と住める場合とは

曖昧で、抽象的な表現…、お察しの通りです。
その『特別な事情』とは、

1 中長期在留者として本邦(日本)に在留していた者が特定技能1号の在留資格に変更する以前から、既に身分関係が成立している中長期在留者として在留していた同人の配偶者や子
2 特定技能1号の活動を行う外国人同士の間に生まれた子(両親とも引き続き本邦に在留することが見込まれる場合に限る)


になります。

全然…、意味が分からないです…。
言っていることが難しいですよ…。

そうですよね…。
専門用語も多くて何を言っているのかわかりにくいと思います。
わかりやすいように例をあげますね。

1は、外国人が留学生の時に、家族を家族滞在の在留資格(ビザ)で呼び寄せます。
そして、その家族滞在で呼び寄せた、留学生の外国人が特定技能1号に在留資格(ビザ)を変更した場合
です。
この場合は、
『既に同居している家族を離れ離れにしてはいけない』
といった、人道上の理由から、家族の在留資格を『家族滞在』から『特定活動』に変更して、同居することができます

 

1については概ねわかりました。
特定技能1号の外国人の前の在留資格(ビザ)は留学の場合で、最終的に家族の方は、留学の時は『家族滞在』でも、特定技能1号の時は『特定活動』に変更しないといけないのですね。
特定技能1号は『家族の帯同』が原則認められていないから、『家族滞在』の在留資格(ビザ)のままではいけない、ということですね。

仰る通りです。

2については、夫婦ともに『特定技能1号』の場合です。
その『特定技能1号』の夫婦間で子供が生まれた場合は、その子供の在留資格(ビザ)を『特定活動』にすることで、子供を母国へ返さずに一緒に日本で暮らすことができます
これもやはり、
『親と子供を離れ離れにしてはいけない』
という人道上の理由からになりますね。

なるほど…。
2の方は1の方より少しわかりやすいですね。
2人とも『特定技能1号』で、勤務先で知り合ったり、同じ国のSNSのコミュニティーで知り合って、結婚に発展した場合ですよね。
その2人の間に生まれた子供は日本に一緒に住めるのですね。
『特定活動』という在留資格で。

1の場合も2の場合も『特定技能1号』の外国人の家族は、他の在留資格(ビザ)と違って『家族滞在』が取れないんです…。
そのため、『特定活動』の在留資格(ビザ)に変更して家族と過ごすことができます。

特定技能1号の在留資格(ビザ)に変更した外国人が留学生の外国人が結婚した場合

別のパターンも検証してみましょう。
特定技能1号の在留資格(ビザ)に変更した外国人が留学生の在留資格(ビザ)の外国人が結婚した場合です。

特定技能1号の在留資格(ビザ)の外国人と結婚するので、先ほどの1の、
『中長期在留者として本邦(日本)に在留していた者が特定技能1号の在留資格に変更する以前から、既に身分関係が成立している中長期在留者として在留していた同人の配偶者や子

に含まれません。
上のオレンジ色の文字を見ていただけるとわかりますが、特定技能1号の在留資格に変更する以前から結婚していないので…。

特定技能1号の在留資格に変更する以前から結婚していない…、と結局どうなるんですか…?

特定技能1号の配偶者の方が『特定活動』への変更ができないんです…。

え…?
では、特定技能1号になった後で知り合って…、付き合って…、結婚に発展した場合の配偶者は、『特定活動』に変更できない、てことですね…。
その場合、どうすればいいのでしょうか…?
母国に帰るしかないのでしょうか…?

そうですね…。
難しい問題ですね…。
おそらく、入管に申請しても審査が通らない可能性は大いにあります
『特定技能1号』に変更した後の外国人と付き合った方の在留資格(ビザ)が『留学生』であるならば、学校を卒業した場合は、『留学生の』の在留資格(ビザ)の外国人は『技術・人文知識・国際業務』などの就労ビザに変更する方法もあります。

逆の発想ですね。

逆の発想…ですか…?
逆の発想というと、『特定技能1号』の方が在留資格(ビザ)を『家族滞在』に変更するということでしょうか…?

その通りです。
『特定技能1号』の外国人は通算5年までしか日本に滞在できません。
『特定技能2号』への移行も選択肢に入ると思いますが、そこまで待てない状況であれば、『特定技能1号』の外国人の方が『家族滞在』の在留資格(ビザ)に変更する、ということです。
もちろん、就労ビザを取得した配偶者が『技術・人文知識・国際業務』の就労ビザできちんと収入を得ていかないと選べない選択肢ですが…。

そうですね…。
もし、『技術・人文知識・国際業務』の在留資格(ビザ)を取得して働くようになるのが女性で、『家族滞在』を新たに取得するのが男性だと…、結婚後、子供を授かった場合に大変ですよね…。
出産のために仕事を休まないといけないですし、収入が得られないようにならないようにしないといけないですし…。

日本で外国人同士が結婚するって大変なんですね…。

おっしゃる通りです。
『家族滞在』に在留資格(ビザ)を変更した場合は、1週間に28時間までしか働けないので、『特定技能1号』の在留資格(ビザ)の時よりも収入は大きく減るでしょう。

日本で外国人同士で結婚する場合は、結婚後一緒にすることができるのか、きちんとご夫婦で確認して計画を立てていくことが大切です。

そうですね…。
それに、在留資格(ビザ)の変更は必ず申請が通るわけではありません。
通ると思っていても、何らかの理由があって、または出てきて、不許可になる可能性もあります。
ですので、就労ビザから『家族滞在』や『特定活動』に変更しようと考えている場合でも、きちんと在留資格(ビザ)の変更がなされるまでは仕事を辞めないようにしましょう。
そうでないと、すぐに就労ビザに合った仕事を見つけなければ…、就労ビザの外国人が働かないで日本に滞在していると不法滞在になってしまうからです…。

不法滞在になってしまうのは本当に怖いですね…。
外国人同士のSNSなどのコミュニティーが活発なようですが、外国人同士の情報だけを信じたりしないで、大きな変化があるときは行政書士の先生に一度相談した方が安全なんですね。

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