社交飲食店許可と深夜酒類提供飲食店の届出の経営上の主な違いと注意点

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社交飲食店と深夜酒類提供飲食店に関わる接待

2022/08/05

社交飲食店許可と深夜酒類提供飲食店に関わる接待

お世話になっております。
行政書士葛飾江戸川総合法務事務所の糠信(ぬかのぶ)です。
本日は社交飲食店許可と深夜酒類提供飲食店に関わる接待を紹介していきます。

そうですね…。
社交飲食店許可と深夜酒類提供飲食店のどこがどう違うのか…、『接待』ができるかそうでないか…、ですよね。
でも…、『何が接待』なのかは細かく知らないので、教えて下さい。

何が接待あたるのか…、そこが大切ですよね。
まず、
・社交飲食店は接待ができます
・深夜酒類提供飲食店は接待ができません

ここをきちんと押さえた上で、見ていきましょう。

接待の定義

接待の定義(風適法第2条第3項関係)です。
接待とは、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」をいいます。

ん…?
「歓楽的雰囲気を醸し出す…?」
…、よくわからないです…。

そう、ですよね…。

営業者、従業者等との会話やサービス等慰安や歓楽を期待して来店する客に対して、その気持ちに応えるため営業者側の積極的な行為として相手を特定して、興趣を添える会話やサービス等を行うことをいいます。

…と、原文のままですとまだ分かりづらいですね…。

はい…。
この原文は残念ながらわたくしにはよくわからないです…。

失礼いたしました…。

要は、接待とは特定のお客さま又はお客さまのグループに対して、単なる飲食行為に通常伴う役務の提供を超える程度の会話やサービス行為等を行うことになります。

接待の主体

接待の主体についてです。
誰が接待を行うのか、ということです。

 

通常の場合、接待を行うのは、営業者やその雇用している方が多いと思います。

そうですよね。
接待は普通は営業者さんやバーなどのキャストさんが行うことが多いですよね。

でも…、他にも色々なお店の形態がありますよね?
料理店の芸者さんや、旅館やホテルでのホステスさんが接待する場合、とか…。
それらは接待に含まれたりするのでしょうか?

お…、鋭いですね。

そうなんです。
先ほどの方々に限らず、
・料理店で芸者が接待する場合
・旅館、ホテル等でバンケットクラブのホステスが接待する場合
・営業者との明示又は黙示の契約、了解の下に客を装った者が接待する場合
等を含みます。


そして、女給(じょきゅう:キャバクラやバーのキャストさんのことです)、仲居、接待婦等その名称のいかんを問うものではありません

なるほど…。
接待には様々な形態があるのですね。

ところで…、接待とは性別で区別されたりするのでしょうか…?

そうですね…。
通常は異性によることが多いでしょうが、それに限られるものではないとされています。
同性も含まれる、という解釈で間違いないでしょう。

接待の判断基準

一番大切な接待の判断基準です。
具体的に何が接待にあたり、あたらないのか、以下の6点を見ていきましょう。

1 談笑・お酌等

接待にあたる

特定少数のお客さまの近くに座ったりして、継続して、談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供したりする行為

 

接待にあたらない

・お酌をしたり水割りを作るが速やかにその場を立ち去る行為
お客さまの後方で待機したり、カウンター内で単にお客さまの注文に応じて酒類等を提供するだけの行為
・上記2点に付随して社交儀礼上の挨拶を交したり、若干の世間話をしたりする程度の行為

 

 

2 ショー等

接待にあたる

特定少数のお客さまに対して、お客さまが利用している客室又は客室内の区画された場所において、ショー、歌舞音曲等を見せたり聴かせる行為

 

接待にあたらない

不特定多数のお客さまに対し同時に、ホテルのディナーショーのようにショー、歌舞音曲等を見せ、又は聴かせる行為

 

 

3 歌唱等

接待にあたる

特定少数のお客さまの客の近くに座ったりして、そのお客さまに歌うことを勧めたり、手拍子や拍手をとったり、褒めはやしたりする行為

・お客さまと一緒に歌う行為

 

接待にあたらない

お客さまの近くに位置せず、不特定のお客さまに対し歌うことを勧めたり、手拍子や拍手をとったり、褒めはやしたりする行為

・不特定のお客さまから頼まれたカラオケの準備や歌の伴奏のために楽器を演奏する行為

 

 

4 ダンス

接待にあたる

・特定のお客さまの相手となって、その身体に接触しながらお客さまにダンスをさせる行為

お客さまの身体に接触しなくても、特定少数のお客さまの近くに位置して、継続して、そのお客さまと一緒に踊る行為

 

接待にあたらない

ダンスを教える十分な能力を有する者が、ダンスの技能や知識を習得させることを目的としてお客さまにダンスを教える行為

 

 

5 遊戯等

接待にあたる

特定少数のお客さまと一緒に、遊戯、ゲーム、競技等を行う行為

 

接待にあたらない

お客さま一人やお客さま同士で遊戯、ゲーム、競技等を行わせる行為

 

 

6 その他

接待にあたる

社交儀礼上の握手、酔ったお客さまの介抱のために必要な限度での接触以外で、お客さまと身体を密着させたり、手を握る行為といった身体を接触する行為

 

接待にあたらない

単に飲食物を運んだり、食器を片付ける行為、お客さまの荷物、コート等を預かる行為

色々ありますが、これらのことに常に注意し、守って営業していけば、保安課の方にいきなり内定調査されても、胸を張って法定営業していることを表せますね。

保安課の摘発は本当に来ます

接待について甘く考え、深夜酒類提供飲食店が摘発されてきたお店は数知れず…、そして未だ後を絶ちません…。

この日本語のブログを外国人経営者の方が読む機会はあまりないかもしれませんが(外国人の方々にとっては日本語の漢字が難しいらしいので…)、外国人の経営者がよく摘発されています。
もちろん、日本人も多く摘発されています。

そ、そうなんですね…。
保安課による摘発事案が多いのですね…。
お店をオープンしても違法営業をすると、やっぱり捕まってしまうのですね…。

そうなんです。
外国人の方が摘発される多くの例として、『海外のバー』というものは『基本接待あり』、のお店がほとんどで、
「日本でもバーという名前が付いているなら接待してもいいんだろう」
という感覚で社交飲食店許可と深酒(深夜酒類提供飲食店)の届出の違いも認識しないまま、さらに、依頼した行政書士の深酒の届出では接待はダメですよ、という説明も日本語なのであまり理解せずに『行政書士への手数料の安い方』の深酒の届出を依頼し、接待経営をなさっている場合が多いそうです…。

なるほど…。
日本語がしっかり理解できていれば、きちんと社交飲食店許可をとることで安心して接待経営ができることを知ることができるのですね。
語学の壁って様々なところで出てくるのですね。

弊所のブログを閲覧いただき、ありがとうございました。
行政書士葛飾江戸川総合法務事務所の糠信(ぬかのぶ)です。
今回は、社交飲食店と深夜酒類提供飲食店における『接待』について紹介させていただきました。


「どこまでが接待でどこまでが接待じゃないんですか…?」
という質問は本当によく訊かれます。
 

お店を持つ皆様は安全に経営していきたいですよね。
とはいえ…、お店を流行らせるためにどこまでが接待で、どこまでが接待ではないのか…、といった『法的な』線引きもしっかり把握しておきたいと思います。
 

引き続き皆様のお役に立てる情報をアップしていきたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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