社交飲食店営業許可申請の流れ 行政書士葛飾江戸川総合法務事務所

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キャバクラ、バー、スナック 社交飲食店営業許可申請の流れ(前編) 行政書士葛飾江戸川総合法務事務所

2022/08/28

社交飲食店営業許可申請の流れ

お世話になっております。
行政書士葛飾江戸川総合法務事務所の糠信(ぬかのぶ)です。
本日は社交飲食店営業許可申請の流れについて紹介していきます。

許可申請にあたり、全部で10のステージを踏んでいきます。
社交飲食店営業許可には時間がかかります。
飲食店営業許可も含めると、短くても2ヶ月はかかります。

え…、そんなに時間がかかるのですか…?
2ヶ月…。
でも、申請前に物件の契約も事前にしていないといけないでしょうから、2ヶ月の空家賃は覚悟しないといけないのですね…。

はい、仰る通りです。
社交飲食店はオープンまで時間もお金も必要になります。
早く営業を始めたいお気持ちは察しますが、きちんとスケジュールを立てて、確実に許可を取得できるようにしましょう。

許可に向けての準備(1~4)

1 打ち合わせ
用途地域の確認のため、営業所所在地の住所を確認します。
大体駅の近くは商業地域だったりしますので、大丈夫なことは多いのですが、用途地域の種類によっては保全対象施設の規定距離が変わったり、そもそもお店が出せない地域だったり場所だったりします。
申請の準備をする前に、大切なところから着手していきます。
最近は駅の近くに保育園もでき始めていますので、用途地域の基準は満たせても、保全対象施設の距離制限でお店が出せない可能性が出てきました…。

そうですね…。
そもそもお店が出せない場所でしたらお店をオープンする構想が始めから崩れてしまいますね…。
大丈夫な可能性が高くても用途地域はきちんと調べないといけないですね…。

続きまして、前科がないか等の欠格事由の確認をします。
前科等があると、お店を出すことができません
嘘はつかないようにお願いいたします。

公表されてはおりませんが、警察署に申請する以上、恐らく審査中の間に警察内部のデータベースで前科照会はされると思います(本当にやっているか訊いたことないですが…)。
そして言われたこともありませんが、もしそこで、所轄の担当者(保安課の警察官)に、

「あなたは前科があるから社交飲食店営業許可申請はできませんね…」

と言われたら、たまらないです…。

そう、ですね…。
用途地域と同じく、前科があるかどうかも必ず社交飲食店のオープンに関わってくるのですね…。

内装についてです。
内装に必要な基準を示す書類をお渡しします。
まだ100m調査もしていないので、申請の準備をするわけではありませんが、この時点で内装に取り掛かっていることは実務上多いかと思います。
ですから、内装の担当者に書類を必ず確認し、許可基準を満たすよう指示してください。
許可基準を満たさず、再工事、という悲惨な事態を予め避けるためにも、事前に基準を示す書類を渡しておきます。

社交飲食店って事前に準備したり確認したりすることが本当に多いのですね…。

そうなんです。
本来であれば…、実務上は既に内装に取り掛かってしまうと思いますが、100m調査が終わるまで、内装に取りかかったりするのは待ってほしいです。
もし、100m調査した結果…、規程距離内に保全対象施設があることが判明すれば、社交飲食店営業の道は絶たれます…。
かけた費用を無駄にしないためにも、バーに移行する(バーや居酒屋は、規程距離内に保全対象施設があるかは申請するのに関係ないためです)、というお話を聞いたことがありますが、辛い選択になります…。

一番は物件契約前に、行政書士に調査だけでも依頼することです。
これなら万が一、予定地周辺に保全対象施設があることが判明しても、高額な物件の契約費も内装費もかからず、調査費だけでほぼ経済的な損失は免れられます。

2 保全対象施設の100m調査(その場所でお店の申請ができるかどうか判断する一番大切な調査)

営業所所在地でお店の申請ができるかどうかの100m調査をいたします。
実際に歩いて回り、例えば、店舗から半径100m以内に学校や病院、図書館、入院施設のあるクリニックがないか、認証・認可保育園がないか、児童遊園がないか、を全件漏らさず確認いたします。

さっき、駅の近くに保育園ができ始めている、って仰っていましたよね…?
それに、普通…、駅の近くにはクリニックがたくさんありますよね…?
そしてそれらのクリニックに入院施設があるかは分からないですけど、産婦人科とかでしたら入院施設が備わっている可能性も高いですよね…?
やっぱり…、結構その保全対象施設ってあったりするのではないでしょうか…?

はい…、その通りです。
このような保全対象施設が規程距離内に1件でも存在すると、お店を申請することができません…。
実際歩いて周辺を回るのは、現在建設中の保全対象施設は地図に反映されていないので、自分の目で確認するしかないからです。
建設中の保全対象施設も規程距離内にあってはいけません
店舗を申請するための基準が厳しいとは思いますが、だからこそ100m調査の重要性も高いといえます…。

じゃあ…、居抜き物件とかで、前も社交飲食店で…、新たに社交飲食店をオープンするのだったら前の社交飲食店のオープンの時に100m調査はしているでしょうから、要らないのでしょうか…?

お気持ちはとてもわかりますが、必ず新たに100m調査は実施いたします。
なぜなら…、以前の社交飲食店が営業を開始してから、どれくらいの期間が経っているでしょうか…?
数年経っているかもしれません…。
今日にいたるまでに新たに保全対象施設が建設されて、状況が変わっている可能性が多いにあります。

そうでした…。
前のお店がオープンしてからどれくらい期間が経っているかわからないですし、新たに保全対象施設ができている可能性もありますよね。
やっぱり100m調査は行わないといけないのですね…。

残念ながら、行わないといけません…。
例として…、駅前の保育園の話が何度も出てきますが…、待機児童を減らそうという自治体の動きから、今、駅前に保育園ができ始めています。
ビルのある階を改装して保育園ができたりもしています。
わたくしの事務所の最寄り駅である金町駅周辺にもたくさんの保育園が2019年に一気に建設されました。
こうなるともう…、保育園周辺では新たな社交飲食店営業許可を申請できません。
尚、近くに保全対象施設があっても、以前からある風俗営業店はそのまま営業を継続できます

そうなんですね。
わかりました。
ところで…、保全対象施設のクリニックの入院施設もそうですが、どうやって調べるのでしょうか…?

とても大切なことなので、話が脱線してしまいましたが、

診療所関係は保健所
保育園、学校は区役所
児童遊園は児童福祉局

と、全ての歩いて確認した施設を、担当の官公庁へ全件問い合わせ確認いたします。
この調査結果も最終的な警察署に提出する必要書類に含まれています。

お世話になっております。
行政書士葛飾江戸川総合法務事務所の糠信(ぬかのぶ)です。

今回は社交飲食店許可の流れの前編について紹介いたしました。
ブログを作ってみて…、
「これは長いな…」
と感じたため、前編と後編に分けました。

後編では実査までを紹介していきますのでご興味のある方はご覧下さいませ。

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