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相続手続きをしようとしたら、自宅で自筆証書遺言を発見。どうするか…? 葛飾区担当の行政書士より

2020/07/30

相続手続きをしようとしたら、自宅で自筆証書遺言を発見。どうするか…。

自宅で自筆証書遺言を発見

 

ある日、ある場所で、身内の方が亡くなり、細谷 叶恵(仮称)さんは相続手続きに取り掛かろうと準備をしていました。

そして、色々整頓していたら…。

 

細谷「ん…? これは、何? い、遺言書…?」

 

故人宅で自筆証書遺言を発見してしまいました。

 

細谷「え、遺言書なんて聞いてないよ~。」

  「う~ん、どうすればいいんだろう…?」

 

と、両手に遺言書と書かれた封筒を持って、細谷さんは牛が呻るように考え込んでしまいました。

さて、細谷さんはこの後、どうすればよいのでしょうか…?

絶対やってはいけないこと

 

細谷さんは思います。

 

細谷「中身は何て書いてあるんだろう…?

   気になるなぁ。

   ちょっとだけ開けて確認してみよう。」

 

と…。

 

でも、これは絶対やってはいけません。

自筆証書遺言はそのままの状態で検認を受けなければなりません(但し、法務局で保管されている自筆証書遺言を除く)。

封がされているものは開けずに裁判所まで持っていく必要があります。

 

もし、開封してしまったら…

 

細谷「やっぱり気になるから開けてしまえ。

   後でまた封をすればいいでしょ。」

 

実際に開けてしまう、もっとダメな例です。

でも、実際に開けてしまう可能性は大いにあります。

『開けてはいけない』ことなんて、普通知らないですよね…。

開けてしまった場合を以下に掲載します。

 

まず、万が一開封してしまっても、検認は受けなければなりません。

そして、検認前に開封してしまうと、5万円以下の過料に処されてしまいます(民法第1005条)。

なお、うっかり開封して、払いたくない過料を支払った場合…、その遺言書が無効となるわけではありませんので、そこは大丈夫です。

封印とは

 

(ここだけ細谷さんが遺言書を開ける前に話を戻してあります)

両手に持った遺言書をまじまじを見つめ、細谷さんはその遺言書の封筒を何度もパッパッ表に返したり、裏に返したりします。

そして、気づきます。

 

細谷「この遺言書…、糊付けするところに印が押されている…。」

 

そうです、封印とは、封に押印されていたり、証紙が貼られているもののことを指します。
単に糊付けされているだけでは、封印にはなりません

これは細谷さんの身内の方が自筆証書遺言を作成するときに『封印した』ことになります。

遺言書の偽造・隠匿をしないようにしましょう

 

つい見たいという心理に負けて遺言書の内容を確認してしまった細谷さん、そこに書かれている内容を見て肩をガックリ落とします。

 

細谷「え…、わたしに相続される財産がほとんどない…。

   私が女だから…? 男が家を守っていくものだから…?

   そんなの許せない。

   皆に気づかれないように捨てちゃえ!」

 

……、これは本当にやらない方がいいです。

遺言書を偽造・隠匿・廃棄する行為は禁物です。

これらの行為をすると、「相続欠格者」として扱われ、そもそも相続権がなくなってしまいます(民法第891条第5号)。

このような戦前のような遺言書が出てきた場合は、相続欠格者としてのリスクを負って遺言書を破棄したりするのではなく、きちんと「遺留分侵害額請求権」という権利を以って、合法的に相続分を少しでももらえるようにしましょう。

 

もし身内の残した遺言書を破棄したならば、細谷さんも今後はそれを背負って生きていくのは辛いと思います(気にならない方もいるかもしれませんが…)。

このようなことは考えず、きちんと遺言書を裁判所に持っていきましょう。

検認を受けずに遺言を執行しないように


細谷「裁判所まで遺言書を持って検認を受けに行くなんてめんどくさい。

   ネットで調べると、裁判所は平日しかやってないし、2ヶ月くらいかかるみたいじゃない。

   ちゃんと遺言書に書かれている通りに財産を分ければ、別にそんなめんどうくさいことしなくても問題ないでしょう?」

 

それもいけません(さっきからいけませんだらけですね…)。

実際に遺言書に従って遺産の分配をすることを、

遺言の執行

といいます。

 

しかし、遺言書の検認を受けずに遺言を執行してはいけません(というか執行できません)。

というのは、検認されていない遺言書を銀行や法務局に持っていっても、「検認済証明書」がないので、銀行員や登記官は手続きをしてくれません

仮に、検認を受けずに遺言の執行ができたとしても、5万円以下の過料に処されてしまいます(民法第1005条)。

 

なお、検認ついては別のブログで詳述させていただきますのでご了承ください。

まとめ

 

細谷「何か色々、やってはいけないことが分かったけど、結局は法的に進めた方がいいんですね。

   わたしの財産の配分が少なくても、法的に救済の制度(遺留分侵害額請求権)があるのも知れました。

   手続きが大変かもしれないけど、まずはそれを材料に身内に相談してみます。」

 

今回、細谷さんは自筆証書遺言を見つけてから、様々な禁止事項などを確認しました。

まずは何より、『開けないこと』

これに尽きると思います。

 

自筆証書遺言は公正証書遺言に比べて作成件数が少ないです。

とはいえ、今後は法務局での保管制度もできましたし、その場合は大変な検認もしなくて済みます。

作成時に手間と時間がかかるようになりますが、その分、残されたご家族の負担を大きく減らします

今後は自筆証書遺言作成の割合が増えていくかもしれません。

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