持続化給付金(新規創業)に本当に必要な書類とは…?  葛飾区・江戸川区担当の行政書士より

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持続化給付金(新規創業)に本当に必要な書類とは…?  葛飾区の行政書士より

2020/08/05

冒頭

 

ある日、自身が経営する飲食店で細谷叶恵(仮称)は過ごしていました。

2020年1月1日から創業したこのお店は、新型コロナウイルスの影響で、売り上げはほとんど上がらなくなっていました…。

 

細谷「まだお店をを始めて1年も経っていないのに、新型コロナで売り上げが上がらなくなっちゃった…。

   どうしよう…。」

 

と考えながら、インターネット上を見ていると、持続化給付金の記事を発見します。

そして…、

 

細谷「そうだ!

   わたしも持続化給付金を申請しよう!」


さて、細谷さんは無事に持続化給付金の申請ができるでしょうか?

必要書類を持って行政書士の先生に会いに行く

 

細谷さんはインターネット上で調べた必要書類を持って、近くの行政書士の先生のところへ相談しに行きました。

ところが、そこで、まさかの言葉を聞くことになります。

 

「すみませんが、あなたはお店を始めてから何も帳簿をつけていませんね。

 これでは、税理士の先生に署名と押印をお願いすることができませんので、申請をすることはできません。」

 

と…。

 

細谷「え…、帳簿って必要書類ではないけど、何で…?」

 

と理由を訊くことにしました。

署名、押印がもらえない理由

 

では、なぜ細谷さんは断られてしまったのでしょうか…?

 

何も帳簿をつけていなかった細谷さんのお店はきちんと正常に営業しているお店かどうかの『信用』がありませんでした

不正を働いているお店とは言いませんが、少なくとも、お店の営業を行う上で果たすべき義務(日々の帳簿作成)を怠っているお店であることは間違いありません

そのため、行政書士の先生に断られてしまいました…。

 

新規創業の方はまだ一度も確定申告を経ていないので、言い換えれば、一度も税務署のチェックが入っていないお店(または会社)になります。

ですから、税理士の先生の署名、押印が必要で、決算時に必要となる貸借対照表や損益計算書を作る元となる、各帳簿の確認を税理士の先生(簿記の知識のある行政書士も書類の確認までなら可)などが行っています。

 

その署名、押印に対する税理士の先生の責任は重大

 

細谷「え…、単に、署名と押印ですよね?

   そんなに税理士の先生に何か困ることなんてあるのですか?」

 

と細谷さんは遠慮がちに行政書士の先生に尋ねます。

行政書士の先生は、 

 

「先ほど申し上げましたように、まだ一度も税務署のチェックの入っていないお店(または会社)に

ここはきちんとした経営を行っています

というお墨付きをするのですから、この署名、押印に対する税理士の先生の責任は重大なんです。

細谷さんのお店が売り上げなどをごまかしているとは言いませんが、少なくとも、創業からの帳簿を用意し、対象月の売り上げが50%以下に落ちていることがしっかり証明できる書類がなければ、税理士の先生に署名、押印をお願いすることはできません…。

わたしも税理士の先生も、もし、不正な申請に関わっていたとすれば、懲戒されてしまう可能性があります。」


と答えます。

持続化給付金の申請はビジネスの場

 

結局、細谷さんは持続化給付金の申請は難しいことを告げられてしまいました。

そこで、感じます。

 

細谷「厳しいなぁ…。

   というか、自分の考えが甘かったのかなぁ…。

   持続化給付金は『救済の手』と考えていたけど、『信用』がないと、申請もできないんだな。

   帳簿とかはしっかり怠らずにつけないといけないんだなぁ。」

今後細谷さんがとるべき行動

 

今回、細谷さんは一度行政書士の先生に申請を断られてしまいましたが、完全に申請ができなくなったわけではありません。

 

細谷「年末でいいや、と今まで帳簿はつけていなかったけど、開業してからの領収書などは全部取ってある

   自分で一度見直してみて、できるなら自分で帳簿をつける。

   できないなら、行政書士の先生か税理士の先生に『仕訳帳』や『総勘定元帳』の作成をお願いしよう。

  きちんと書類を整えて、信用をもってもう一度署名、押印をお願いしてみよう。」

 

と気持ちを切り替えました。

署名、押印は有料

 

細谷「…、そういえば、もし署名、押印がお願いできるようになったとして、いくらかかるんだろう?」

 

と細谷さんは帰り道に考えます。

 

税理士の先生の署名と押印は無料ではありません。

事務所によって料金は異なると思いますが、1万円前後かかると思った方がよいでしょう。  

一度、お願いする税理士の先生に確認されると良いでしょう。

まとめ

 

今回は、持続化給付金における新規創業の方へのご案内となりました。

 

細谷さんは持続化給付金の申請を今回すぐにはできませんでしたが、帳簿を付けてお店の信用を得ることも大切であると学びました。

厳しいようですが、ビジネスの場で『信用』のない取引先を選ぶ企業はありません

今回の持続化給付金の申請についても通じるところはあります。

 

法律の言葉で、『義務と権利』という対義語が出てきます。

『権利を得るためにはきちんと義務を果たさないといけない』

という印象を受ける例の紹介となりました。

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